ちょっとした工夫

ちょっとした工夫

ここでは、お祭り見物に特有の、きものの着こなしの工夫を書きます。
きもの一般の身のこなし方については、参考となる・サイトなどがたくさんあります。

■きものに慣れるまでは、家や近所の祭り見物で慣らしておく
 生まれて初めてのきもの(ゆかた)で、都会の混雑する祭り(三社祭、隅田川花火大会、京都祇園祭、天神祭、博多祇園山笠など)へいきなり行くのはちょっと無茶です。どこか体に無理がきますし、危険です。

 そこでおすすめなのが、家の中でゆかたを着ならしておくことです。
 袂の扱いや裾さばきといった、きもの特有の身のこなしに慣れますし、もし帯が苦しくなっても、家の中ならすぐにゆるめることができます。家着としてのゆかたなら、着古しのものや安価なもので充分です。

 少し慣れてきたら、ご近所の小さい祭りや縁日にゆかたを着て繰り出して、夜店のごちそうをいただくのもおつなもの。移動距離も少なく、混雑しない祭りがおすすめです。

 ご近所に小さな祭りがない場合や、ご近所の祭りがその地区での通過儀礼で、一世一代の気合いが入った祭りである場合はこの手が使えません。そんなときは、ご近所のお散歩や、気のおけない仲間とのお出かけ、小旅行など、気軽に失敗ができるところで着物に慣らすといいでしょう。


■情報誌やインターネットなどで、祭りの情報を調べておく
 大きな祭り・花火大会になると、混雑や交通規制があり、おしあいへしあいになったり、なかなか動きがとれなかったり、一方通行規制で大回りさせられたり、駅で大行列が出来ていたりします。明石の花火大会のような惨事は、どこで起こっても不思議ではないと認識してください。

 そこで、情報誌などをチェックして、スケジュール、付近のルートや、みどころなどをあらかじめチェックしておくと精神的に余裕をもって祭り見物できます。この手の情報は、都会の祭りなら「ぴあ」「○○ウォーカー」「ミーツリージョナル」といった地域情報誌、観光地の祭りなら「じゃらん」などの旅行情報誌などに祭り情報・花火大会情報が掲載されています。
 最近では、毎年夏になると、ぴあやWalkerplus などが花火大会情報の特設サイトを開いてくれます。


■無理をしない、楽できる工夫をする
 上記の情報誌での事前チェックと関係しますが、きものに慣れてしばらくのうちは、洋服のときの半分〜2/3程度の行程で動く計画をたてておけば無難です。慣れないゆかたや下駄は、想像以上に歩きにくいです。
 男性の方なら、下駄の代わりに雪駄にすると飛躍的に歩きやすくなります。

 下駄の鼻緒ズレ対策には、バンソウ膏が必携。脂足の方は、バンソウ膏を貼り付けてもすぐはがれてしまうので、足袋をはいちゃいましょう。本来ならお茶や踊りのお稽古といった特殊用途以外では、ゆかたに足袋は履かないとされていますが、鼻緒ズレ対策にも絶大な効果を発揮します。ゆかたに白足袋が目をむくというのなら、柄足袋がおすすめです。

 盲点なのは、電車に乗るまでの行列と、電車の中です。ただでさえ慣れないきもの、その上に電車の混雑でもみくちゃにされたら、もうきものはこりごりと思ってしまうかも。もし、
  付近の別の駅(例:PL花火のときの富田林駅の両隣)
  指定席・有料特急
  タクシーやバス
などを利用することで楽ができるのなら、それは大いに検討に値します。ぜひ事前にチェックしておきましょう。
タクシーやバスを使うときは、交通渋滞に注意。歩いた方が早かったということも往々にしてあります。
 夏、乗車時間が長時間になる人は、冷房対策も忘れずに。


■ゆかた姿で電車に乗るのはおかしい?のウソホント
 寝間着や旅館のゆかたで外出するのは、温泉街の祭り・花火大会くらいにしておいたほうが無難です。
 それ以外の、普通に売られているお祭り見物用のゆかたなら、どしどし電車に乗って大丈夫だと思います。祇園祭宵山の日の阪急電車・京阪電車など、約半数がゆかた姿です(残り半分は通勤帰りのサラリーマンか、ゆかたの彼女を連れた彼氏)。 
 さすがに、新幹線や飛行機にゆかたで乗るというのはお相撲さんくらいのものですが(笑)。

 ただし、車やバイクの運転にはご注意。下駄など、底が動かない履き物での運転は、道交法に触れるおそれがありますし、危険です。

 それでは、大いにお祭りを楽しんでください。